オリーブオイルは健康に良いと聞いたことがある方は多いと思いますが、具体的にどのような効果があり、どうして健康にプラスになるのかはご存知でしょうか?
実際に、世界中の多くの研究がオリーブオイルの素晴らしい健康効果を明らかにしています。
本記事では、オリーブオイルの科学的に証明された健康効果を詳しく探り、日々の食事にどのようにオリーブオイルを取り入れるべきか、そしてどのような製品を選ぶべきかについてわかりやすくお伝えします。
オリーブオイルをより効果的に活用し、あなたの健康をさらに向上させるための情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください!
オリーブオイルの健康効果と科学的根拠
結論からいうと、オリーブオイルには特に「心筋梗塞」や「狭心症」など、心血管系の病気を防ぐのに高い効果が期待できます。
オリーブオイルの他に植物油としてキャノーラ油やごま油、ひまわり油など様々な食用の油がありますが、その中でもなぜオリーブオイルが特に健康に良いとされているのでしょうか?
オリーブオイルの健康効果を科学的に解説します。
1 オレイン酸がLDLコレステロールを上昇させない
オレイン酸とは「一価不飽和脂肪酸」の一種で、他の脂質に比べて酸化しにくく、長期保存や加熱に強いという特徴を持ちます。
オレイン酸にはHDLコレステロール(善玉)を低下させずに、LDLコレステロール(悪玉)を上昇させない(または低下させる)と言う効果が認められています。
LDLコレステロールは生命維持に必要な成分ですが、過剰になると動脈硬化を進行させ、心血管系の病気の原因となります。
オリーブオイルに含まれる脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は70〜80%となっています。
オレイン酸はキャノーラ油など他の植物油にも含まれていますが、オリーブオイルのオレイン酸含有量は他の植物油と比較して高い数値です。
【参考資料】
高度不飽和脂肪酸とオレイン酸の健康栄養機能|日清オイリオグループ株式会社 中央研究所
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/7/10/7_391/_pdf
2 抗酸化物質が豊富
オリーブオイルにはポリフェノールとビタミンEが多く含まれています。
ポリフェノールはメカニズムが不明な点が多いですが、抗酸化作用と心血管系の病気のリスクが低くなることが研究で明らかになっています。
ビタミンEについても強い抗酸化作用が認められています。
「抗酸化作用」とは細胞や組織の酸化ダメージを防ぐ効果をいいます。
炎症や老化を抑制するとともに、LDLコレステロールの酸化を抑制し、動脈硬化のリスクを下げるとされています。
【参考資料】
ポリフェノールパラドックス 生体利用性と機能性の矛盾|日本農芸化学会
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/54/10/54_726/_pdf/-char/ja
3 大規模な観察研究の結果
オリーブオイルやオリーブオイルが多く使われる地中海食にはやはり心血管系の病気を防ぐ効果があることが、大規模な研究により示されています。
この研究は7447人を対象にスペインで行われ、2013年に報告されました。
参加者は、ランダムに次の3つのグループに割り当てられ、約5年間追跡されました。
①地中海食を食べるように指導+1週間ごとに約1Lのエクストラバージンオリーブオイルが支給
②地中海食を食べるように指導+1日あたり約30gのミックスナッツが支給
③低脂肪食を食べるように指導
実験の結果、①、②の地中海食のグループは③低脂肪食のグループと比較し、心血管系の病気の発生率が29%低いと言う結果となりました。
①のオリーブオイルを支給されたグループは約30%、②のナッツを支給されたグループは約28%低くなっています。
オリーブオイルは同じ地中海食のナッツや魚とともに積極的に食事に取り入れることで健康メリットがあると考えられます。
【参考資料】
エキストラバージンオリーブオイルやナッツ類を補った地中海ダイエットによる心血管疾患の一次予防https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29897866/
オリーブオイルの効果的な摂取方法
特に心臓や血管に良い効果のあるオリーブオイルですが、より効果的に摂取するには何に気をつければ良いのでしょうか?
オリーブオイルのおすすめの食べ方について解説します。
1 エキストラバージンオリーブオイルを選ぶ
オリーブオイルの中でも特に栄養価の高い「エキストラバージンオリーブオイル」を選ぶと健康効果が高いです。
オリーブオイルの種類は大きく分けると「バージンオリーブオイル」「オリーブオイル(ピュア)」の2種類に分けられます。
その中でも日本でよく流通している「エクストラバージンオリーブオイル」「バージンオリーブオイル」「ピュアオリーブオイル」の3つについて説明します。
エキストラバージンオリーブオイル
「バージンオリーブオイル」のうち、最高品質のオリーブオイルです。
物理的な方法のみで抽出され、科学的な処理は一切行われていません。
酸度が0.8%以下と低く、抗酸化物質であるポリフェノールも豊富に含まれています。
生食や低温調理に最適です。(もちろん加熱料理にも使えます。)
※エキストラバージンオリーブオイルの基準について
オリーブオイルの等級は、スペインに本部を置く「国際オリーブ協会(IOC)」が国際基準を定めています。
エキストラバージンオリーブオイルの基準は「オリーブの果実のみから物理的手段で抽出されたもの」や「酸度が0.8%以下であるもの」「風味に欠陥がないこと」など厳しいものとなっています。
しかし、日本はIOCに加盟しておらず、JAS法が用いられているため、「オリーブ油(酸度2.0%以下)」と「精製オリーブ油(酸度の基準はなし)」しか分類がなく、IOC基準より高い酸度のオリーブオイルが「エクストラバージンオリーブオイル」として販売されている可能性があることに注意が必要です。
バージンオリーブオイル
「エキストラバージンオリーブオイル」の次に品質の高いオリーブオイルです。
酸度は2.0%以下で風味はエクストラバージンオリーブオイルよりも劣りますが、栄養価は高く保たれています。
ピュアオリーブオイル
精製したオリーブオイルにバージンオリーブオイルをブレンドしたものになります。
バージンオリーブオイルよりも酸化しやすく、風味は劣ります。
加熱料理に適しています。(生でも食べることはできます。)
2 適量を毎日継続的に摂取する
健康に最も良いとされる1日あたりのオリーブオイル摂取量は大さじ1〜2杯(15ml〜30ml)とされています。
オリーブオイルは脂質ですので、大さじ1杯あたり107kcalとカロリーが高いです。
食べ過ぎには気をつけつつ、体格など個人の状況に合わせて、適切な量を摂取すると良いです。
3 生または低温調理で摂取する
オリーブオイルに含まれているポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化物質は、高温で加熱すると減少することがわかっています。
そのため、ドレッシングとしてサラダにかけたり、パンにつけて食べるなど「生」で摂取することがおすすめです。
生で食べることで、オリーブオイルが本来持つ風味も楽しむことができます。
おすすめのオリーブオイル
料理が趣味の私が個人的におすすめするオリーブオイルについてご紹介させてください!
健康効果の最も高いオリーブオイルの最高級品である「エクストラバージンオリーブオイル」に絞り、健康効果、おいしさ、手に入りやすさという観点から選びました。
オリーブオイルを購入する際の参考としてください!
ICONO | More社
価格:7998円 |
私が最もおすすめするオリーブオイルが、こちらの「ICONO エクストラバージンオリーブオイル」です。
チリのMore社が製造しています。
大気汚染がないとされるチリ北部のアタカマ砂漠カルデラ平原のオリーブのみを使用し、収穫から搾油まで4時間以内で行う品質管理がされています。(高品質なオリーブオイルを作るには、通常収穫から24時間以内に搾油することが理想とされています。)
ICONOは「エキストラバージンオリーブオイル」の国際基準の一つである「酸度0.8%」を大幅に下回る、「酸度0.2%以下」を実現した本物のエキストラバージンオリーブオイルになります。(商品には0.17%と記載されています。)
種類は「FRUITY」と「SPICY」の2種類があります。
食べた時の特徴として、「FRUITY」はまろやかで、苦味はあまり感じず、ナッツのような香りが最後に感じられます。
「SPICY」はより青々しさが感じられ、スパイシーな苦味が感じられます。
価格は500mlで1本3000円を超えるので、スーパーなどで買える安価なエキストラバージンオリーブオイルの倍以上はしますが、味わいは全く違います。むしろこの品質で、この価格はお手頃ではないかと思います。
私は、サラダやパンに塩と一緒にかけて食べるのが好きです。
贅沢な香りを楽しみながら、健康効果を期待できるのでおすすめです!
ヴィラブランカ オーガニック |アセイテル・デル・スル社
ヴィラブランカ オーガニックエクストラバージンオリーブオイル PET(500ml*3本入)【ヴィラブランカ】 価格:7452円 |
続いてご紹介するのは、スペインのアセイテル・デル・スル社が製造する「ヴィラブランカ オーガニック」です。
スペインのアンダルシア州の広大な自然で有機栽培された、オーガニックオリーブオイルになります。
酸度は0.4%を超えることがないよう、品質管理されています。
さらに、風味や抗酸化物質等の栄養成分が失われないよう、圧搾の際に30℃以上の熱を加えない「コールドプレス製法」によって製造されています。
また、複数のオリーブがブレンドされて風味が調整されており、爽やかな香りが感じられます。
控えめな香りなので、オリーブオイルの強い香りが苦手な方にもおすすめです!
オリーブオイルエクストラバージン|味の素
味の素「AJINOMOTO オリーブオイルエクストラバージン」 400g瓶 AJINOMOTO 価格:1490円 |
3つ目は味の素のエクストラバージンオリーブオイルです。
スペインで栽培でされたオリーブの中から厳選して製造されているとのことです。
酸度は国際基準の0.8%を大幅に下回り、味の素の独自基準で0.3%以下とされています。
上記の2つのオリーブオイルと比較すると香りは弱いですが、スーパーなどで手に入りやすいエクストラバージンオリーブオイルの中では、質が良く、価格もお手頃なのでおすすめです!
私は、主に加熱料理に使っています。
まとめ
オリーブオイルにはLDLコレステロールの上昇を防いだり、抗酸化作用があり、心血管系の病気を防ぐ効果が期待できることがご理解いただけたのではないかと思います。
オリーブオイルは古代ギリシアの医者であるヒポクラテスが「偉大なる医薬」と表現したそうです。
どのような食べ物も食べ過ぎは良くないので、バランスの良い食生活を心がけながら、ぜひ日常の食生活に取り入れたみてほしいと思います。
オリーブオイルには健康効果だけではなく、料理を美味しくする力も高いですので、今後オリーブオイルを使ったおすすめの料理などもご紹介したいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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「健康に良い」と言われている食べ物はなぜ5つ?その理由を解説
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