おせち料理の起源とは?歴史を知ってお正月をさらに楽しもう!

おせち料理1

お正月といえば、みなさんどのように過ごしていますか?
家族でのんびり過ごす方、お仕事や家事で忙しい方、それぞれに新年のスタートを迎えていることでしょう。

そんなお正月に欠かせないのが「おせち料理」
特別な食材が詰められた色鮮やかな重箱は、見るだけでお正月気分を盛り上げてくれますよね。

でも、ふと考えたことはありませんか?
「そもそもおせち料理ってどうしてお正月に食べるの?」
「どんな意味が込められているんだろう?」

実は、おせち料理には長い歴史と深い意味が隠されているのです。

この記事では、おせち料理の起源やそこに込められた思いをわかりやすく解説します。

さらに、現代のおせち事情やおせち作りのヒントもご紹介!

おせちのことをもっと知ることで、新しい一年の始まりがさらに楽しく、特別なものになるはずです。

目次

おせちの起源と歴史

元旦節会の図
出典:宮内庁ホームページ「元旦節会・豊楽院図」(https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/shohekiga/4AG0052

お正月の食卓を彩る「おせち料理」。
その起源はどこにあるのでしょうか?
意外と知られていない歴史をひもといてみましょう!

おせち料理は「節会(せちえ)」の儀式から始まった

おせち料理のルーツは、奈良時代以前にまでさかのぼります。

当時、宮中では「節日(せちにち)」と呼ばれる季節の節目に「節会(せちえ)」という儀式が行われていました。

天皇のもとに群臣が集い、邪気払いの儀式や豊作を祈る祈願が行われ、その後、盛大な饗宴(きょうえん)が開かれました。

この饗宴で供された料理が「御節供(おせちく)」と呼ばれ、これが現在のおせち料理の始まりです。

つまり、おせちは単なる食事ではなく、古くから重要な儀式に欠かせない存在だったのです。

平安時代には節会がバージョンアップ!

奈良時代から平安時代になるにつれて、「節会」のなかでも次の5つの日に「五節会(ごせちえ)」とよばれる特に重要な節会が開催されるようになりました。

この五節会にお祝い料理が出されていたとされています。

  • 1月1日 元旦
  • 1月7日 白馬(あおうま)の節会
  • 1月16日 踏歌(とうか)の節会
  • 5月5日 端午(たんご)の節会
  • 11月中旬 豊明(とよのあかり)の節会

これらの儀式で供された料理が「御節供」として発展しましたが、まだお正月限定の料理ではありませんでした。

江戸時代に「御節供(おせちく)」が庶民の正月料理に

江戸時代になると、幕府が祝日を公式に定め、「五節句(ごせっく)」と呼ばれる節目の日を祝う文化が広まりました。

  • 1月7日 人日の節句
  • 3月3日 上巳の節句
  • 5月5日 端午の節句
  • 7月7日 七夕の節句
  • 9月9日 重陽の節句

正式な祝日が定められたことで、これまでは宮中のみの行事だったものが庶民にも広がり、庶民もお祝い料理の「御節供」を年に5回食べるようになりました。

五節句のなかでも新年を迎える1月7日の「人日の節句」は特に大切にされ、この時に食べる「御節供」が正月料理として定着していきました。

人日の節句以外の節句はそれぞれが独自の文化に発展していきました。

例えば、3月3日の上巳の節句は「ひな祭り」、5月5日端午の節句は子どもの成長を祝う行事に変化していきました。

そして、次第に正月の御節供だけが「御節(おせち)」として残っていったのです。

それから、大晦日に「御節」を作り、正月に食べる文化が日本中に広まり、現代に近いおせち文化が形成されていきました。

「おせち料理」という言葉が広まったのは終戦以降

江戸時代後期から明治時代にかけて、各地の豊かな山海の幸が取り入れられ、祝いの意味を込めた料理が増えていきました。

終戦後の昭和時代にはおせち料理」という言葉が一般に広まり、家庭や商業的な商品としての地位を確立しました。

今ではお正月の風物詩として多くの家庭で愛される存在となっています。

おせち料理に込められた意味

おせち料理2

おせち料理は、見た目の華やかさだけでなく、料理一つひとつに新年への願いが込められています。
その由来や象徴する意味を知ると、食べる楽しみがさらに広がります!

神様へのおもてなし

おせち料理は、新年に幸福をもたらす神様「歳神様(としがみさま)」への感謝のお供え物として始まりました。

歳神様を迎えた家庭では、神様と共に食事をすることで家族の幸せを願います。

これを「神人共食(しんじんきょうしょく)」と呼び、おせち料理を囲むことで神様との絆を深める意味があります。

また、食事に使う「祝箸(いわいばし)」は、両端が細くなっているのが特徴。

一方を人、もう一方を歳神様が使うとされ、神様と共に食事をする心を表しています。

縁起担ぎの象徴

おせち料理の最大の魅力は、料理一つひとつに込められた縁起の良い意味。新しい一年の幸福を願って、さまざまな料理が選ばれています。

おせち料理の代表例とその意味

  • 黒豆:健康で「まめに働く」ことを願う。
  • 数の子:ニシンの卵で「二親」に通じ、子孫繁栄を象徴。
  • 紅白かまぼこ:紅白の色がめでたさを表現。
  • 栗きんとん:「金団(きんとん)」と書き、豊かな財運を願う。
  • だて巻き:巻物に似ているため、学問成就や知識の向上を祈る。
  • 昆布巻き:「喜ぶ(よろこぶ)」に通じ、不老長寿を願う。
  • えび:背中が丸い形が長寿の象徴。
  • 手綱こんにゃく:五穀豊穣と「縁結び」を象徴する結び目。
  • 里芋:親芋から子芋、孫芋へと増えることから、家族繁栄を表す。
  • くわい:「芽出たい(めでたい)」に通じ、立身出世の象徴。

幸せを重ねる重箱の意味

江戸時代末期から明治時代にかけて、おせち料理を重箱に詰める習慣が広まりました。

重箱を重ねる様子は、福を重ねることを象徴し、縁起の良さが一層強調されます。

現代でも、おせち料理を重箱に詰めることで、新しい一年にたくさんの幸せが訪れることを願う意味が込められています。

実用的な知恵

おせち料理は、縁起担ぎだけでなく、実用的な工夫も詰まっています。

昔は、正月三が日は台所仕事を休む風習があり、保存性の高い料理が求められました。

多彩な料理を事前に作っておけば、年始の忙しい時間もゆっくり家族と過ごせます。

栄養バランスも考えられ、健康的な正月料理としても理にかなった食文化なのです。

現代のおせち事情

おせち料理は長い歴史を持ちながら、現代のライフスタイルに合わせて多様化し、進化を続けています。
昔ながらの伝統を守りつつも、新しい形態や購入方法が増え、多くの家庭で親しまれています。

多様化するおせちのスタイル

おせち料理は今や和風だけでなく、さまざまなスタイルが登場しています。

家族の好みに合わせたオリジナルおせちが楽しめるのも現代ならではで、家族の食の好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。

和風おせち

昔ながらの伝統的な料理が中心。

黒豆、数の子、昆布巻きなど、縁起物の定番が詰め込まれています。

洋風おせち

洋風おせち

華やかな見た目と現代的な味付けが特徴。

ローストビーフ、テリーヌ、サーモンマリネなどが盛り込まれ、おしゃれな食卓を演出します。

中華風おせち

中華風おせち

豪華な食材とボリュームが魅力。

エビチリ、春巻き、チャーシューなど、食べごたえのあるメニューが人気です。

おせちの購入事情の変化

かつては家庭で手作りするのが一般的だったおせち料理も、今では市販品が主流になっています。

デパートや専門店では、年末に多くの店舗が試食販売会を開き、豪華なおせちを展示しています。
直接見て選べる楽しさも魅力です。

また、おせち料理のオンライン予約・購入が一般になり、老舗旅館や料亭、有名シェフが監修した高級おせちも通販で購入できるようになっています。

忙しい年末に手間を省きつつ、プロの味を家庭で楽しめるのは現代の大きなメリットです。

おせち料理の新しいトレンド

家族構成や食のニーズの多様化に伴い、おせち料理にもさまざまな新しいトレンドが生まれています。

個食・少量サイズ

少人数の家庭向けに、1〜2人用のコンパクトなおせちが登場。

少量だからこそ質の高い料理が楽しめるのが特徴です。

食材宅配の「Oisix」では1〜2人前の高級おせちが販売されています。
新作の海の幸を贅沢に使用した豪華海鮮おせち「藍玉」など複数の種類から選べます!
「Oisixおせち」の購入は下の画像から▼▼▼

グルメ志向のおせち

有名シェフや料理研究家が厳選した食材を使い、ワンランク上の味を提供する高級おせちが人気です。

通販サイト「匠本舗」では全国の料亭・名店が監修した「料亭おせち」が取り揃えられています!
おせちのサイズも豊富で2人前から10人前とたくさんの種類のおせちが販売されています!
匠本舗の「料亭おせち」の購入は下の画像から▼▼▼

ご当地おせち

全国各地の特産品を詰め合わせた地域限定のおせちも注目されています。

旅行気分を味わいながら新年を迎えるのにぴったりです。

日本最北の島、礼文島から高品質な食材がお届けされる「島の人 オンラインショップ」では「北海道の高級海鮮おせち」が販売されています!
島の人「北海道高級海鮮おせち」の購入は下の画像から▼▼▼

定番おせち料理の作り方とアレンジ料理!

デパートや通販サイトで購入できる高級なおせち料理も魅力的ですが、「できるだけ簡単に自分で作ってみたい!」という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、最低限これだけ作れば立派なおせち料理になる“定番の作り方”と“余った料理を活用したアレンジレシピ”を、わかりやすいYouTube動画とともにご紹介します!

黒豆

黒豆には「まめに働く」という願いが込められています。

じっくりと時間をかけて煮込む必要がありますが、工程はシンプルで初心者にも挑戦しやすいおせち料理のひとつです。

黒豆の作り方

「誰でも作れる簡単・お手軽」をモットーに料理・お菓子の作り方をご紹介しているYouTubeチャンネル「DAIFUKU KITCHEN」さんが紹介している作り方はとても簡単でわかりやすいです。

冷蔵庫で1日置くことで味がしみ込み、よりおいしく仕上がります!

材料

  • 黒豆 200g
  • 上白糖 90g
  • グラニュー糖 90g
  • しょうゆ 小さじ2
  • 塩 小さじ1/3

作り方の手順

  1. 黒豆を軽く洗い、鍋に6倍の水を入れて10〜12時間浸けます。
  2. 鍋に上白糖とグラニュー糖を加え、中火で煮立たせて白いアクを取り除きます。
  3. 沸騰寸前で弱火にし、アクをすくい取りながら、ぬるま湯を1カップ加えます。
  4. クッキングシートで落とし蓋をし、さらに蓋を少し開けた状態でとろ火で3時間煮ます。
  5. 醤油と塩を加え、再度3分間煮ます。
  6. 粗熱を取ったら容器に移し、冷蔵庫で1日置けば完成です!

黒豆のアレンジレシピ

黒豆は一度にたくさん作るため、余ることが多いですよね。そんなときは“黒豆パウンドケーキ”にアレンジするのがおすすめ!

料理系YouTubeチャンネル「マカロニ」では、黒豆の甘さを活かしたしっとりとしたパウンドケーキの作り方が紹介されています。甘さの調整ができるので、自分好みにアレンジしてみてください!

栗きんとん

「財宝を意味する縁起物」としておせちに欠かせない甘い栗きんとん。なめらかな舌触りと優しい甘さが魅力の一品です。

栗きんとんの作り方

料理研究家ゆかりさんのYouTubeチャンネル「料理研究家ゆかりのおうちで簡単レシピ」では、簡単に作れる栗きんとんのレシピが紹介されています。

材料

  • さつまいも 500g
  • 栗の甘露煮 10〜15粒
  • 砂糖 100g
  • みりん 50ml
  • 甘露煮のシロップ 50ml
  • くちなしの実 2粒
  • 塩 ひとつまみ

作り方の手順

  1. くちなしの実を紙パックに入れ、水に5分漬けます。
  2. さつまいもを1cm幅に切り、皮を厚めにむいて水に5分漬けます。
  3. さつまいもをフライパンに入れ、くちなしの水を加えて10分ほど弱火で加熱します。
  4. 取り出したさつまいもをフライパンに戻し、砂糖を加えながらつぶしていきます。
  5. なめらかになったら裏ごしをし、フライパンに戻してみりんと甘露煮のシロップを加え、中火で加熱します。
  6. 仕上げに栗の甘露煮を加えて完成です!

栗きんとんのアレンジレシピ

余った栗きんとんは、スイートポテトにアレンジするのがおすすめです!

ABCクッキングスタジオの公式YouTubeでは、クリームチーズを使った上品なスイートポテトのレシピが公開されています。

クリームチーズの酸味が甘さを引き立て、絶品スイーツに変身します!

伊達巻

伊達巻には「学業成就」や「知識を高める」という意味が込められています。

甘くてふわふわの食感が特徴的なおせちの定番料理です。

伊達巻の作り方

料理研究家ゆかりさんのYouTubeチャンネルでは、鬼すだれを使った本格的な伊達巻の作り方が紹介されています。

材料

  • 卵 4個
  • はんぺん 110g
  • 砂糖 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • めんつゆ 大さじ1/2
  • はちみつ 小さじ1
  • サラダ油 適量
  • 鬼すだれ

作り方の手順

  1. フードプロセッサーに卵、はんぺん、砂糖、みりん、酒、めんつゆ、はちみつを入れて撹拌します。
  2. これを裏ごしし、フライパンに流し込みます。
  3. 蓋をして弱火で7分焼き、ひっくり返してさらに1分焼きます。
  4. すだれに巻き、10〜15分置いて形を整えれば完成です!

伊達巻のアレンジレシピ

余った伊達巻を“フレンチトースト”にアレンジしてみてはいかがでしょうか?

YouTubeチャンネル「マカロニ」では、伊達巻を活用したフレンチトーストのレシピが紹介されています。朝食やおやつにピッタリの一品です!

「定番おせちの作り方」だけでなく「余ったおせちのアレンジレシピ」まで紹介しましたが、いかがでしたか?

どれも作りやすいレシピばかりなので、ぜひお試しください!

手作りおせちは、家族との時間を楽しむのにもピッタリです。今年は自分で作ったおせちを食卓に並べてみませんか?

まとめ

今回は、おせち料理の起源や歴史、込められた願い、現代のおせち事情、さらに定番おせちの作り方について解説しました。

「おせち料理」は、奈良時代以前から続く日本の伝統文化です。

そのルーツは宮中行事の「御節供(おせちく)」にあり、江戸時代に庶民の間にも広がりました。

戦後の経済成長とともに、家庭で親しまれる「おせち料理」として定着し、現在では「健康」「長寿」「子孫繁栄」などの縁起の良い意味が込められた料理が詰められるのが一般的です。

近年では、デパートや通販サイトで豪華なおせちを簡単に購入できるようになり、和風だけでなく洋風や中華風のアレンジおせちも人気を集めています。

おせちの歴史や意味を知ることで、ただ「食べる」だけではなく、“願いを味わう”楽しさが加わります。

これまで何気なく口にしていたおせち料理も、今年は一つひとつの意味を感じながら味わってみてはいかがでしょうか?

新年の食卓がより豊かで、心温まるひとときになることを願っています!

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