違いがわかる!料理の味を引き立てる塩の選び方

塩

「塩」は料理の味を左右する、とても大切な調味料です。

絶妙な塩加減が、料理を「美味しい!」と感じさせるカギになります。
逆に、塩加減を間違えると、せっかくの料理が台無しになることもありますよね。

それほど重要な塩ですが、「種類」にこだわったことはありますか?

スーパーにはさまざまな塩が並んでいますが、「違いがよくわからないから安いものでいいや」と思ったことがある方も多いかもしれません。

実は、料理によって使う塩を変えるだけで、いつもの料理が驚くほど美味しくなることがあるんです!

塩にはそれぞれ特性があり、選び方ひとつで料理の仕上がりが大きく変わります。

この記事では、料理に最適な塩をどう選ぶか、用途別にわかりやすく解説していきます。

最後まで読めば、塩選びが楽しくなり、日々の食事が一段と豊かになること間違いなしです!
さっそく見ていきましょう!

目次

塩の種類と特性

塩はすべて海から生まれますが、その製造方法によって大きく2種類に分類できます。
それが「精製塩」「天然塩(自然塩)」です。

それぞれの特徴と、さらに細かい種類について詳しく見ていきましょう。

精製塩

精製塩

精製塩は、海水を電気分解して純度の高い塩化ナトリウムを抽出したものです。

この過程で、ミネラル分はほとんど取り除かれます。

精製塩は主に食品加工や調理用として広く使われています。

「精製塩」の特徴は次のとおりです。

  • 大量生産が可能で価格が安い
  • サラサラとしていて使いやすい
  • 塩化ナトリウムの含有量が99.5%と高く、他のミネラルはほとんど含まれていない
  • 塩味が強くとがっている

天然塩(自然塩)

天然塩は精製塩以外の塩を指します。
さらに「海塩」「湖塩」「岩塩」の3つに分類され、それぞれに異なる風味と特性があります。

海塩

天日塩

海塩は海水から作られる塩ですが、「天日干し法」「煮詰め法」といった2つの方法で作られています。

「天日干し法」で作られたものは「天日塩」と呼ばれ、自然の力で海水を乾かして作られます。

一方、「煮詰め法」では海水を加熱して水分を蒸発させ、塩を得ます。
日本の伝統的な製法で作られる「せんごう塩」などが有名です。

海塩の特徴をまとめると次のとおりです。

  • 海水由来のマグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルが豊富
  • 精製塩に比べて味がまろやかでコクがある
  • 天日塩は若干の水分を含むことがある
フルール・ド・セル

最高級の天日塩として知られる「フルール・ド・セル」はフランス語で「塩の花」を意味し、特定の塩田でしか取れない希少な塩です。

そのまろやかな塩味、ほのかな甘み、カリッとした食感は、フランス料理や高級料理で重宝されています。

湖塩

ウユニ塩湖

湖塩は、塩分濃度の高い湖から採れる塩です。

日本では生産されていませんが、「死海」「ウユニ湖」などが有名です。

生産量が少なく希少価値が高い塩です。

湖塩の特徴は次の通りです。

  • まろやかな味わいで、海塩と岩塩の中間的な特性
  • にがりが少なく、カルシウムが多いため、ほのかな甘みとすっきりした味わい

岩塩

岩塩(ピンクソルト)

岩塩は、かつて海だった場所が長い年月をかけて岩塩層となり、その塩分が結晶化したものです。

塩化ナトリウム以外にさまざまなミネラルが含まれ、複雑な風味を楽しめます。

  • 塩化ナトリウムの他、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルを含む
  • まろやかな味わいと強い旨味、複雑な風味がある
  • 白、青、桃白、鮮紅、紫、黄など様々な色がある
  • ミルで挽いたり、すりおろして使用する

その他の塩

「精製塩」「天然塩」に分類されない塩を紹介します。

再生加工塩

精製塩と天然塩の中間的な位置づけの塩です。

精製塩や輸入塩を一度水に溶かし、「にがり」や「海水」を添加して再度結晶化させます。

精製塩よりもミネラル含有量が多く、天然塩よりは少ない傾向があります。

天然塩より安価で一般のスーパーマーケットでも入手しやすいです。

「伯方の塩」が有名ですね。

風味付き塩

「藻塩」「ハーブソルト」など、海藻やハーブで風味をつけた塩もあります。

料理に個性を加えるのに最適です。

料理における塩の役割

塩は料理に欠かせない調味料ですが、単に塩味をつけるだけだと思っていませんか?
実は塩には、料理を美味しくするためのさまざまな役割があります。

大きく分けると、塩は次の3つの重要な効果を持っています。

  • 調味効果
  • 脱水効果
  • タンパク質の変性効果

それぞれ詳しく見ていきましょう!

調味効果

塩の最も基本的な役割は、食材に塩味をつけて美味しくすることです。

塩味が加わることで、食材そのものの甘みや旨味が引き立ち、料理全体のバランスが整います。

また、少量の塩を加えるだけで、甘い料理の甘さをより強調する効果もあります。

脱水効果

塩を使うと、食材から水分を引き出すことができます。

この脱水効果には、料理にさまざまなメリットがあります。

臭みの除去

肉や魚に塩を振ることで、余分な水分と一緒に臭みを取り除けます。

出てきた水分はキッチンペーパーでしっかり拭き取るのがポイントです。

水分調整

野菜に塩をまぶすと水分が抜け、調味料が染み込みやすくなります。

さらに、余分な水分を取り除くことで、料理の味が薄まらないように調整できます。

肉や魚に事前に塩を振ると、焼いた際に表面にきれいな焼き色がつきやすくなる効果もあります。

保存性の向上

食材を脱水することで、微生物の繁殖を抑制し、保存性が高まります。

漬物や塩漬けなど、伝統的な保存食にもこの効果が活用されています。

タンパク質の変性効果

少し意外かもしれませんが、塩は食材のタンパク質を変性させ、肉や魚を柔らかくする効果も持っています。

塩を振って水分が抜けた後、その水分がゆっくり戻る過程で、タンパク質の分子が再構成され、食材が柔らかくジューシーになるのです。

この効果を最大限に引き出すためには、塩の量や振るタイミングが重要となります。

【精製塩と天然塩】塩の選び方とおすすめの塩

料理における塩の選び方に「正解」はありませんが、「精製塩」と「天然塩」の料理の目的に合わせたおすすめの選び方があります。

先に結論をお伝えすると、素材の水分を引き出すためなら「精製塩」、味付けのためなら「天然塩」というシンプルな考えで良いと思います。

ここでは基本的な塩選びの考え方とその理由、さらにおすすめの塩をご紹介します!

脱水には「精製塩」

食材の水分を引き出したり、柔らかくする目的で塩を使うなら「精製塩」がおすすめです。

その理由の一つは、精製塩に含まれるナトリウムの純度が高いことです。

「浸透圧」を生み出すのがナトリウムで、他のミネラルが少ない精製塩は、天然塩よりも高い脱水効果を発揮します。

もう一つの理由は、精製塩の粒が細かく均一でサラサラとしている点です。

粒が大きかったり、水分を含んでいる塩は食材にムラができやすいですが、精製塩なら全体に均等に広がり、効率的に脱水が行えます。

こうした理由から、精製塩は脱水を目的とした料理に最も適した選択肢です。

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味付けは「天然塩」

一方、料理に味を付ける場合はミネラルが豊富な「天然塩」が最適です。

精製塩と比べると、天然塩は塩味がまろやかで、ほんのり甘みや旨味を感じるのが特徴です。

これが料理を引き立て、深みを与えてくれます。

天然塩には「海塩」「湖塩」「岩塩」などの種類がありますが、塩選びの際にはミネラルだけでなく、塩の結晶の大きさも重要なポイントです。

煮込み料理・スープには「海塩」がおすすめ

スープ

煮込み料理やスープに使う塩としては、サラサラしすぎず手頃な価格の「海塩」がぴったりです。

特に「粗塩」と呼ばれるタイプがおすすめです。

天然塩はミネラルが豊富でまろやかな味わいがあるとされていますが、液体に溶けてしまうとその違いはあまり感じられないこともあります。

そのため、最も安価な精製塩でも十分かもしれませんが、精製塩は塩味が強く出すぎてしまうこともあります。

高級な塩を使うと、せっかくの風味や食感が溶けて失われてしまうのがもったいないため、安価で使いやすく、ほどよいミネラルを含む「海塩」を選ぶのが最適です。

特におすすめなのは「瀬戸のあらじお」
フレーク状で扱いやすく、価格も手頃で、どんな料理にも使いやすい塩です。

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炒め物におすすめの塩

炒め料理

炒め物は煮込み料理より塩本来の味が活きるので、ミネラル豊富な「海塩」を使うと、まろやかな味わいで食材の味が一層引き立ちます。

特におすすめなのが、日本国内で作られる数少ない天日塩「粟国の塩」です。

沖縄県粟国島で採取された海水から作られ、自然の力をたっぷりと感じられます。

「釜炊き」と「天日」の2種類ありますが、炒め物には「釜炊き」が使いやすいくて良いと思います。

豊かなミネラルが料理にまろやかに絡んで、奥深い味わいに仕上げてくれます。

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サラダにおすすめの塩

サラダ

サラダに塩とオリーブオイルをかけるだけで、素材の味を存分に楽しめます。

おすすめの塩は、「フルール・ド・セル」海塩にハーブを加えた「ハーブソルト」です。

「フルール・ド・セル」はまろやかな甘みがあり、塩辛さが強すぎないため、サラダの味を優しく引き立てます。

粒の大きさとカリッとした食感もアクセントとして楽しめます。

特に「カマグル フルール・ド・セル」はフランス南部カマルグ地方の塩田で作られた最高級の天日塩で、テーブルに置くだけでもおしゃれです!

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サラダにかける「ハーブソルト」として、「有機ザク切りハーブソルト あまび」をおすすめします。

日本の海塩にバジルやオレガノ、タイムといった有機ハーブが豊かにブレンドされており、香りと塩の旨味がサラダを一層引き立てます。

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ステーキ・グリル・ロースト肉には「岩塩」を

ロースト肉

肉の旨味を引き出すには「岩塩」がぴったりです。

岩塩は溶けにくく、独特の香りと力強い塩味が肉料理をシンプルに引き立ててくれます。

ミルで挽くと、カリッとした食感と共に香りが立ち、食卓に高級感を加えてくれます。

特に「ヒマラヤピンクソルト」はわずかな酸味とミネラル豊かな風味があり、ステーキやグリル肉と絶妙にマッチします。

シンプルな調理法でも一味違う美味しさを感じさせる一品です。

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天ぷらに合う塩

天ぷら

天ぷらには繊細な味わいが求められるため、素材を引き立てながら塩そのものの旨味も感じられる「天日塩」「湖塩」がおすすめです。

にがりが豊富な塩は、天ぷらの軽やかさと絶妙なバランスを保ちます。

「粟国の塩 天日」は、自然の力で丁寧に作られた塩で、天ぷらの淡白な味わいに豊かさを添えてくれます。

シンプルな料理だからこそ、塩の風味がしっかりと感じられるのが魅力です。

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塩を使うタイミング

料理をさらに美味しくするには、塩の「選び方」だけでなく、適切な「使うタイミング」も重要です。

「調理前」「調理中」「食べる直前」など、料理や食材によって最適なタイミングが異なります。

ここでは、目的に応じた適切なタイミングと塩の使い方を解説します。

調理前

調理前に塩を使う場合は、食材ごとに浸透時間を考慮します。

肉に塩

塩が肉の中に浸透するのには時間がかかります。

それは、肉の細胞は繊維の中に閉じ込められていて、その繊維はさらに線維束の中にあるためです。

肉の種類や厚さなどにもよりますが、肉を脱水し柔らかくするためのおおまかな目安の時間をお伝えします。

  • 鶏のむね・もも肉、豚バラ肉(厚さ1cm程度)・・・  約5時間 
  • 牛・豚のバラ肉(厚さ1cm程度)      ・・・  約10時間
  • 牛のリブロース(厚さ1cm程度)      ・・・  約15時間

塩を肉の深部まで浸透させ柔らかくするには、1cm程度の厚さの肉でこれくらいの時間がかかるので、調理の前日に塩を振って準備することをおすすめします。

なお、肉の表面を脱水して焼色をつけたり、臭み消しのために塩をするのは調理の30分程度前でも大丈夫です。

魚に塩

魚の繊維は肉とは異なり柔らかいため、塩が浸透するのに肉ほど時間はかかりません。

魚の切り身の場合、調理の20分程前に塩をふることで、脱水し柔らかくすることができます。

調理前に水分を拭き取ることである程度臭みを除去することができます。

野菜

きゅうりの塩もみ

きゅうりや白菜といった水分を多く含む野菜を使ったサラダなどでは、事前に塩で脱水することで、その後の味付けが薄まらず、美味しく作ることができます。

この場合、味付けをする10分ほど前に塩をして、その後十分に水分を絞ることが重要になります。

調理中

調理中の塩使いは、「味付け」と「脱水」の2つの目的があります。

煮込み料理・スープ

煮込み開始時に塩を加えると具材に味が染み込みやすくなりますが、濃くなりすぎないように3回ほどに分けて調整すると良いでしょう。

炒め物

野菜を炒める際に塩を加えると、脱水効果で早く柔らかくなります。

例えば、玉ねぎを飴色にしたい時は、塩を加えると短時間で仕上がります。

焼色を付けたい時は、焼いた後で塩を加えるのがポイントです。

パスタ

茹で湯にあらかじめ塩を加えることで、麺に塩味がしっかり染み込みます。

塩の量は茹で汁の1%の量が目安になります。(1Lの茹で汁に対して10gの塩です。)

食べる直前

サラダやステーキ、天ぷらなどのシンプルな料理には、食べる直前に塩を振ることで、素材の味が際立ち、塩そのものの美味しさも感じられます。

質の良い塩を選ぶと、料理が一層引き立ちます。

このように、塩を使うタイミングによって料理の仕上がりが大きく変わります。
それぞれのタイミングに合わせた塩の使い方を取り入れて、さらに美味しい料理を楽しんでみてください。

まとめ

塩はシンプルな調味料ですが、種類や使うタイミングを工夫することで、料理の味わいが格段に高まります。

食材を脱水したり柔らかくするのに向く精製塩、素材の味を引き立てる天然塩、そして海塩や岩塩などの選び方や特徴を理解し、料理に合わせて使い分けることがポイントです。

また、調理前・調理中・食べる直前と、タイミングによっても塩の働きは異なります。

ぜひ、日々の調理に塩の種類とタイミングを意識的に取り入れて、いつもの料理をより美味しく仕上げてください。

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