健康的な食生活を目指すには、料理をして栄養バランスの良い食事を作り、美味しく食べるのが理想的です。
しかし、一人暮らしで料理が苦手という方や、仕事で帰りが遅くどうしても食事の準備に時間をかけられないという方は多いのではないでしょうか。
それでも、ついついカップラーメンやコンビニ弁当に頼るのは避けたいものです。
「食事を手軽に済ませたいけれど、できるだけ体に良いものを選びたい。」
そんな方も方も多いはずです。
今回は、そんな忙しい一人暮らしの方でも無理なく取り入れられる、料理不要で健康的といえる食品を7つ紹介します。
食生活改善の参考にしてみてください。
料理が不要で健康的な食品とは?
まずはじめに、この記事における「料理が不要」と「健康的な食品」の基準についてあらかじめお伝えします。
「料理不要」の基準
「料理が不要」の基準は次の3つとしました。
- 包丁を使う必要がない
- 火はお湯を沸かす程度
- 食品の加熱は電子レンジのみ
「健康的な食品」の基準
次に「健康的な食事」については、以下の2つの観点から選びました。
厚生労働省が示す「健康な食事」
1つ目は、厚生労働省が示す「健康な食事」の基準です。
平成27年に発表された通知によると、健康な食事とは「心身の健康を維持・増進するための栄養バランスがとれた食事」であり、さらに、「おいしさや楽しさが伴っていることが重要」とされています。
栄養バランスの面では、「主食・主菜・副菜を基本として多様な食材から必要な栄養素をバランスよくとること」が求められるとされています。
つまり、「栄養バランスが良く、美味しさや楽しさがあり、主食・主菜・副菜を含む多様な食材から栄養を摂ること」が「健康な食事」ということになります。
栄養バランスについては、同じく厚生労働省が1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安をイラストで示した「食事バランスガイド」が参考になると思います。
【参考文献】
日本人の長寿を支える「健康な食事」の普及について|厚生労働省
科学的なエビデンス
2つ目は、科学的なエビデンスに基づく観点です。
世界中で行われている研究の中から、寿命を伸ばしたり、病気の予防に効果があると認められた食品を厳選しました。
信頼性の高いデータをもとに選んでいるので、安心して参考にしていただけます。
料理不要のおすすめの健康的な食品7選
上記の基準から忙しい一人暮らしの方向けに、特に手軽で健康的なおすすめの食品7つを紹介します。
1 玄米のパックごはん
まず主食としておすすめなのは「玄米」のパックご飯です。
白米ではなく玄米がおすすめな理由は、玄米には糖質の他に食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているため、栄養バランスが良いことです。
また、白米に比べ、血糖値の上昇が緩やかになるため、動脈硬化による病気や糖尿病の予防にも効果があります。
詳しくは、下記の記事を参考としてください。
本来、玄米を炊いて食べるとなると、浸水を含め7時間以上かかるのですが、パックご飯であれば電子レンジで温めるだけで食べることができます。
白米よりも若干価格は高くなりますが、手軽で健康な主食としては最もおすすめです。
また、下記の記事ので紹介している「寝かせ玄米」のパックご飯は健康面だけではなく、味ももちもちとしていて美味しいです。
玄米の味や食感が苦手という方にもおすすめです。
2 魚の缶詰
料理不要な主菜としておすすめなのは魚の缶詰です。
魚は栄養の宝庫で、まず注目したいのがタンパク質。
魚のタンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含み、体内で効率よく利用されます。
そして、特に重要なのが魚に含まれる「脂肪」です。
魚の脂肪には、健康に良いとされるオメガ3脂肪酸(不飽和脂肪酸)が豊富に含まれています。
中でもEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は要チェック!
EPAは血液をサラサラに、DHAは脳を活性化してくれると言われていて、魚を食べることで心臓や血管の病気を防いだり、乳がんを防ぐ効果があることが研究で示されています。
さらに、ビタミンB1・B2やビタミンD、カルシウムなどのビタミン・ミネラルもたっぷり含まれているんです。
詳しくは下記の記事を参考としてください。
「缶詰にすると栄養価が減るんじゃない?」と心配される方もいるかもしれませんが、実は缶詰でも栄養価はほとんど変わりません。
忙しくて魚を調理する時間がない方でも、缶詰なら手軽に栄養を摂れるので一人暮らしにはぴったりです!
ただし、選ぶ際は塩分の摂りすぎに注意し、なるべく無添加のものを選ぶのがおすすめです。
手軽に健康を意識できる魚の缶詰、ぜひ食事に取り入れてみてください!
3 納豆
納豆には良質な植物性タンパク質や食物繊維のほか、ビタミンK2、鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのビタミン・ミネラルといった栄養素が豊富に含まれており、副菜としておすすめの食品です。
納豆は多くの医師も認める”スーパーフード”であり、様々な健康効果が期待できる食品です。
定期的に摂取することで、全身の健康維持に貢献する可能性があります。
納豆に含まれるナットウキナーゼという成分が血栓を溶解して、心臓や血管の病気や予防に効果的であることが研究で示されています。
また、高血圧の方の血圧を低下させたり、免疫機能を高めるという効果も示されています。
そして、なんといっても納豆は安く、手に入りやすく、食べるのも簡単です。
私はよく鰹節と醤油を少しかけて食べていますが、アレンジがいろいろできるのも楽しいですよね。
【参考文献】
ナットウキナーゼ:心血管疾患の予防と治療における有望な代替手段|Sage Journals
この論文では、納豆に含まれるナットウキナーゼの血栓溶解効果について詳細に分析しています。
ナットウキナーゼが血栓を溶解し、心血管疾患の予防と治療に有効である可能性を示しています。
ナットウキナーゼの血圧への影響:ランダム化比較試験|Hypertension Research(日本高血圧学会)
この研究により、ナットウキナーゼの摂取が高血圧の治療と予防に効果的である可能性が示唆されています。
4 味噌汁(フリーズドライ)
味噌は、植物性タンパク質が豊富で、9種類の必須アミノ酸を含む優れた食品です。
特に味噌汁は、具材と一緒に摂ることで、タンパク質に加えて脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、リノール酸、イソフラボンといった栄養素をバランスよく摂取できます。
さらに、研究では、味噌汁にはがん予防やコレステロールの抑制、整腸作用、消化促進、美肌効果など、さまざまな健康効果があることが示されています。
忙しい一人暮らしでも、手軽にお湯を注ぐだけで楽しめるのがインスタントやフリーズドライの味噌汁。
中でも、フリーズドライの味噌汁は栄養素の損失が少なく、味も手作りに近いのが特徴で、とてもおすすめです。
なお、味噌汁を含め、食事全体の塩分量が高くなりすぎないよう注意をしてください。
【参考文献】
大豆摂取と心血管疾患リスクの関連性:観察研究のメタ分析
この研究では、大豆製品(味噌を含む)の摂取と心血管疾患リスクの関連を調査しています。大豆製品の摂取が心血管疾患リスクの低下と関連していることが示されました。
“心を満たす”完全栄養食。1杯1000円の「味噌汁」が変える予防医療の未来|note
1杯1000円の味噌汁を通じて、心と体を満たす予防医療の新たな可能性を探る記事です。完全栄養食としての味噌汁が、単なる食事以上に、健康維持や疾病予防に貢献する取り組みを紹介しています。
5 サラダ
野菜が健康に良いのは皆さんもご存じだと思います。
食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、体に必要な栄養を手軽に摂取できます。
理想を言えば、ブロッコリーやキャベツ、大根などの「アブラナ科」の野菜や、トマト、にんじん、ほうれん草といった「緑黄色野菜」をバランスよく取り入れたサラダがベストです。
しかし、今回は「料理不要」で簡単に食べられる野菜を厳選しました。
私のおすすめは、「ミニトマト」「レタス」「ベビーリーフ」「小さいパプリカ」です。
これらは冷蔵庫から出してサッと洗うだけで、すぐにサラダとして楽しめます。
スーパーではカット野菜も販売されていますので、これを買っておくのも良いと思います。
さらに、ドレッシングにエキストラバージンオリーブオイルを使えば、美味しさもプラスされ、健康効果もぐんとアップ。
手間をかけずに野菜をとりたい方にはぴったりのサラダです。
オリーブオイルの健康効果は下記の記事を参考としてください。
6 ナッツ
ナッツは、アーモンドやカシューナッツ、クルミ、ピスタチオなど、硬い殻に包まれた木の実です。
ナッツには不飽和脂肪酸、タンパク質、抗酸化作用のあるビタミンE、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
サラダに加えたり、間食としてお菓子の代わりに食べることで、がんや心筋梗塞などの予防に役立つという研究結果が示されています。
ナッツの健康効果について下記の記事を参考としてください。
特に忙しい日々でも、手軽に食生活に取り入れられるのが魅力です。
ただし、ナッツはカロリーが高いので食べ過ぎには注意してください。
7 果物
果物にはがんの予防や、心筋梗塞、脳卒中などの心臓・血管系の病気を予防する効果が研究で示されています。
大規模な研究では、1日の果物の摂取量が増えるごとに死亡率が減少するという結果も出ています。(ただし、上限はあるので食べ過ぎには注意です。)
また、意外なことに、果物を摂取しているしている人ほど、糖尿病のリスクが低いという研究結果も。
甘いものが好きな人にはお菓子より果物がおすすめです。
特に、「りんご」「バナナ」「ぶどう」「みかん」「さくらんぼ」などは包丁不要で手軽に食べられます。
それぞれ、ビタミンCや食物繊維、抗酸化作用のあるポリフェノールなどの栄養素が含まれていますので、忙しい中でもできるだけ食習慣に取り入れると良いと思います。
また、フルーツジュースについては、糖尿病のリスクを上げるという研究結果がありますので、できるだけ「生」の果物を食べることをおすすめします。
【参考文献】
果物と野菜の摂取と全死因、心血管疾患、癌による死亡率:前向きコホート研究の系統的レビューと用量反応メタ分析|米国国立図書館
この研究では、果物と野菜の摂取が心血管疾患(CVD)および全死亡率のリスクに与える影響を調査しています。解析結果によると、果物や野菜の摂取量が増えると心血管疾患と全死亡率のリスクが大幅に低下することが確認されました。特に、1日5回以上の摂取で最も効果的なリスク低下が見られました。
果物摂取と2型糖尿病のリスク:3つの前向き縦断コホート研究の結果|米国国立図書館
この研究では、特定の果物の摂取が2型糖尿病リスクに与える影響を調査しました。ブルーベリー、ブドウ、リンゴなどの摂取はリスク低下と関連がある一方、フルーツジュースの摂取はリスク増加と関連しました。果物ごとにリスクとの関係に違いがあり、全体として果物の丸ごとの摂取が糖尿病予防に有効であることが示唆されています。
まとめ
今回は一人暮らしで、料理の時間がない方向けに、手軽に健康的な食事をとっていただくための7つの食品をご紹介しました。
選んだ食品は「玄米パックごはん」「魚の缶詰」「納豆」「味噌汁」「サラダ」「ナッツ」「果物」。
どれも手軽で栄養バランスが良いものです。
正直、目新しい情報ではなかったかと思いますが、できるだけ科学的根拠に基づく健康的な食品に重点を置きました。
料理を楽しめるなら最高ですが、忙しい方も無理なく一つずつ取り入れてみてください。
これで少しでも食生活の改善に役立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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